第6回 ポインタ

基本課題

ポインタ

★f1) int型の変数aとint型へのポインタpを定義し,pを用いてaに好きな値(キーボードから入力した整数)を代入するプログラムを作成しなさい。※直接aに値を代入せず,pを使ってaの値を変える。

int a;
int *p;

【ポイント】 ポインタは必ず変数などのある有効なメモリ領域を指していなければならない。初期化していないポインタは非常に危険である。※下記は課題とは関係ない。

char str[20];
char *ptr;
ptr = &str[3];

f2) まず,int型の変数a,bに適当な整数を代入しておく。次に,pをaへのポインタ,qをbへのポインタとする。そして,pとqを使って(a,bを使わずに)変数a,bの内容を入れ替えなさい。結果を確認するため,入れ替える前と後の変数a,bの値を表示しなさい。

★f3) 整数型の配列a[10]と,整数型へのポインタpを定義し,配列の要素a[3]に適当な値を代入し,pにa[3]のアドレスを代入する。このときのa[3],&a[3], *p, pを表示すること。その後,*pに別の値を代入するとどうなるかも同様に表示しなさい。

【ポイント】 ポインタの値(アドレス)を表示するには%pを用いる。

printf("%p\n", ptr);

f4) キーボードから入力された文字列を char 型への配列 str に読み込み,char型へのポインタ ptr を用いて,str 内の1文字目から最後までの文字列,2文字目から最後までの文字列,3文字目から最後までの文字列,…を順に出力するプログラムを作成せよ。以下に出力例を示す。

Tamagawa
amagawa
magawa
agawa
gawa
awa
wa
a

★f5) 2つの整数x,yを引数に取り,商と余りを同時にもとめる関数divideを作成しなさい。なお,y=0なら0を返し,それ以外なら1を返すようにしなさい。

int divide(int x, int y, int *sho, int *amari);

使用例

int a, b, c;
c = divide(5, 3, &a, &b);
if (c != 0) printf("商 %d  余り %d\n", a, b);

応用課題

fx1) 長さ5のint型,char型の配列を作り,各要素に適当な値を代入しなさい。それぞれの配列について,ポインタを使って配列の要素のアドレスと中身を1つずつ表示しなさい。

fx2) 長さ10文字のchar型の配列fromとtoを定義し,キーボードからfromに文字列を読み込んだ後,ポインタ2つを用いてtoにこの文字列をコピーするプログラムを作成しなさい。

【ポイント】 ポインタによる連続コピーでは,よく以下のような書き方が用いられる。

*p++ = *q++;

fx3) 整数型へのポインタを2つ取り,それらの指す整数値を交換する関数swapを作成せよ。

void swap(int *p, int *q);

使用例

int a = 3, b = 5;
swap(&a, &b);
printf("a=%d b=%d\n", a, b);

fx4) 2つの文字列を比較し,同じなら1,異なる場合は0を返す関数を作成しなさい。※ただし,標準ライブラリ関数strcmpは用いないこと。

int strequal(char *str1, char *str2);

fx5) キーボードから文字列patternとstringを読み込み,stringにpatternが含まれる場合には「成功」と表示して終了し,含まれない場合には「失敗」表示として成功するまでstringの読み込みを繰り返すプログラムを作成しなさい。※標準ライブラリ関数strstrを使ってよいので調べてみよ。

発展課題

ダンジョン探索

fz1) RPGシリーズということで,今度はダンジョン(地下迷宮)の地図を作り,プレイヤーがその中を探検できるようにしてみよう。今回はやることが多いので説明はかなり簡略されている。不明な点は自分で考えて適切に設計しながらチャレンジしてほしい。

主人公たちは村外れにたつ小さな古城にたどり着いた。言い伝えでは,この地下は昔牢獄として使われ,今では恐ろしい吸血鬼や悪霊が住み着く迷宮となっているという。村人のためにも,吸血鬼を退治しなければ…。

ダンジョンの地図は2次元配列(グローバル変数)として用意し,主人公の現在位置は変数(x, y)で表すとよい。この例では,初期位置は上り階段(map[1][1])のある(1,1)とする。

int map[7][7] = {
    { 9, 9, 9, 9, 9, 9, 9 },
    { 9, 1, 9, 0, 9, 5, 9 },
    { 9, 0, 9, 0, 2, 0, 9 },
    { 9, 0, 9, 0, 9, 9, 9 },
    { 9, 0, 0, 0, 2, 0, 9 },
    { 9, 0, 9, 0, 9, 7, 9 },
    { 9, 9, 9, 9, 9, 9, 9 } };

ここで,0〜9はそれぞれ次のものを表す(ここらへんは自由にアレンジしてよい)。

また,主人公が地図上のそれぞれの記号を訪れた場合の関数を作成する。壁は移動することができないので作らなくてよい。

void passage() /* 通路 */
{
    /* 何も起きない */
}

void stairway() /* 階段 */
{
    /* 地上に脱出するかどうか質問する */
    /* 吸血鬼を倒してから脱出すれば,ハッピーエンド */
}

void door() /* 扉 */
{
    /* 何かメッセージを表示させるといいだろう */
}

void cross() /* 十字架 */
{
    /* 宝箱があり,中に十字架が入っている */
    /* 紙に書かれた謎々を解くと箱を開けられる */
}

void vampire() /* 吸血鬼 */
{
     /* 吸血鬼に仲間にならないか誘われるが,断ると対決 */
     /* 十字架を持っていれば勝つことができる */
}

プログラムは,ユーザに,主人公を東西南北(上下左右)どちらの方向に進ませるか尋ね,入力された方向に壁がなければ,xとyを適切に変化させてその場所の記号に対応する関数を呼び出す。

printf("どちらの方向に進みますか?(6:東 4:西 2:南 8:北)");
scanf("%d", &dir);
switch (dir) {
case 6:
    if (map[y][x+1] != 9) x++;
    break;
case 4:
    if (map[y][x-1] != 9) x--;
    break;
case 2:
    if (map[y+1][x] != 9) y++;
    break;
case 8:
    if (map[y-1][x] != 9) y--;
    break;
default
    printf("その方向には進めません。\n");
    /* エラー処理 */
}

switch (map[y][x]) {
case 0:
    passage();
    break;
case 1:
    stairway();
    break;
case 2:
    door();
    break;
case 5:
    cross();
    break;
case 7:
    vampire();
    break;
}

画面には,主人公の周囲の状況を表示するとよい。一例としては,最初階段にいるときに以下のよう表示させる。どんな文字や表示方法を使うか,どこまでの範囲を表示させるかは自由である。

吸血鬼に負けてしまった場合は,主人公も吸血鬼になってゲームオーバーである。自分のような冒険者の生き血を求めて,このダンジョンに住み続けることになる…。


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