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* 第5回 ポインタ [#nbac03ee]
* 第5回 ここまでの応用 [#raa6595f]
- ''基本課題''は授業時間中に終わらせること。
- ★印の付いている問題は,当教員に見せて確認の印(またはサイン)を得ること。
- 授業時間中に終わらなかった''応用課題''は,次回(2週間後)までの宿題とする。
- [[C言語のコンパイルと実行のしかた>../C言語環境]]
-- プログラムのファイル名は,「問題番号.c」としてください。例:a1.c, ax3.c
- [[プログラムの提出のしかた>../提出]]
-- 提出URL http://vilab.org/upload/clab-upload.html
- [[C言語おすすめ情報>../C言語参考資料]]
-- おすすめのWebページや書籍の紹介。
** 基本課題 [#r46c6a8d]
** 基本課題 [#ecef29f3]
*** ポインタ [#ue0c2280]
*** 制御構造の応用 [#sc465a95]
''★e1)'' int型の変数aとint型へのポインタpを定義し、pを用いてaに好きな値(キーボードから入力した整数)を代入するプログラムを作成しなさい。※直接aに値を代入せず、pを使ってaの値を変える。
int a;
int *p;
''e1)'' a(1) = a(2) = 1, a(n) = a(n-1) + a(n-2) で表される数列をa(1)からa(10)まで表示するプログラムを作成しなさい。''ただし、配列は使ってはならない。''
- 再帰は使わないほうがよい。
> 【ポイント】 ポインタは必ず変数などのある有効なメモリ領域を指していなければならない。初期化していないポインタは非常に危険である。※下記は課題とは関係ない。
char str[20];
char *ptr;
ptr = &str[3];
*** 配列の応用 [#vd68efca]
''e2)'' まず,int型の変数a,bに適当な整数を代入しておく。次に,pをaへのポインタ,qをbへのポインタとする。そして,pとqを使って(a,bを使わずに)変数a,bの内容を入れ替えなさい。結果を確認するため,入れ替える前と後の変数a,bの値を表示しなさい。
''★e2)'' まず,ともに要素数5の整数配列aとbを定義し,キーボードから数値を読み込む.そして,aとbに共通の要素があるかどうか調べ,ある場合にはそれらをすべて表示するプログラムを作成しなさい。
''★e3)'' 整数型の配列a[10]と,整数型へのポインタpを定義し,配列の要素a[3]に適当な値を代入し,pにa[3]のアドレスを代入する。このときのa[3],&a[3], *p, pを表示すること。その後,*pに別の値を代入するとどうなるかも同様に表示しなさい。
''★e3)'' 下記のような勝ち点表(の数値部分)を表す2次元配列int point[4][5]を定義し,各チームの勝ち点を集計して表示しなさい。
||''ブラジル''|''オーストラリア''|''クロアチア''| ''日本'' |''勝ち点''|
|''ブラジル''|CENTER:0|CENTER:3|CENTER:3|CENTER:3||
|''オーストラリア''|CENTER:0|CENTER:0|CENTER:1|CENTER:3||
|''クロアチア''|CENTER:0|CENTER:1|CENTER:0|CENTER:1||
|''日本''|CENTER:0|CENTER:0|CENTER:1|CENTER:0||
> 【ポイント】 ポインタの値(アドレス)を表示するには%pを用いる。
printf("%p\n", ptr);
> 【ポイント】 上の表と2次元配列point[][]の要素との対応は以下のようにする。
||''ブラジル''|''オーストラリア''|''クロアチア''| ''日本'' |''勝ち点''|
|''ブラジル''|CENTER:[0][0]|CENTER:[0][1]|CENTER:[0][2]|CENTER:[0][3]|CENTER:[0][4]|
|''オーストラリア''|CENTER:[1][0]|CENTER:[1][1]|CENTER:[1][2]|CENTER:[1][3]|CENTER:[1][4]|
|''クロアチア''|CENTER:[2][0]|CENTER:[2][1]|CENTER:[2][2]|CENTER:[2][3]|CENTER:[2][4]|
|''日本''|CENTER:[3][0]|CENTER:[3][1]|CENTER:[3][2]|CENTER:[3][3]|CENTER:[3][4]|
''e4)'' キーボードから入力された文字列を char 型への配列 str に読み込み、char型へのポインタ ptr を用いて、str 内の1文字目から最後までの文字列、2文字目から最後までの文字列、3文字目から最後までの文字列、…を順に出力するプログラムを作成せよ。以下に出力例を示す。
Tamagawa
amagawa
magawa
agawa
gawa
awa
wa
a
''★e5)'' 2つの整数x,yを引数に取り、商と余りを同時にもとめる関数divideを作成しなさい。なお、y=0なら0を返し,それ以外なら1を返すようにしなさい。
int divide(int x, int y, int *sho, int *amari);
使用例
int a, b, c;
c = divide(5, 3, &a, &b);
if (c != 0) printf("商 %d 余り %d\n", a, b);
*** 関数の応用 [#b7811ead]
** 応用課題 [#p3af5a83]
''★e4)'' double型の引数を取り、その絶対値を返す関数absoluteを定義し、さらにその関数を利用して関数 f(x) = |-x + 1|を定義しなさい。関数f(x)の動作を確認するプログラムを作成しなさい。
- 関数呼び出しの関係は,main → f → absolute となる。
''ex1)'' 長さ5のint型,char型の配列を作り,各要素に適当な値を代入しなさい。それぞれの配列について,ポインタを使って配列の要素のアドレスと中身を1つずつ表示しなさい。
''e5)'' 自然数nに関して,以下の定義で表される再帰関数factをC言語のプログラムで作成しなさい。
>n≧1のとき fact(n) = n・fact(n-1) &br;
n=0のとき fact(0) = 1
''ex2)'' 長さ10文字のchar型の配列fromとtoを定義し、キーボードからfromに文字列を読み込んだ後、ポインタ2つを用いてtoにこの文字列をコピーするプログラムを作成しなさい。
>【ポイント】 関数の中では自分自身の関数を呼ぶことも可能であり,これを「再帰」という。再帰関数を作るときには,必ず処理が終わるようにすることを注意する。
int fact(int n)
{
/* この中で fact(n-1) を使って計算 */
}
> 【ポイント】 ポインタによる連続コピーでは、よく以下のような書き方が用いられる。
*p++ = *q++;
** 応用課題 [#bdf6e377]
''ex3)'' 整数型へのポインタを2つ取り、それらの指す整数値を交換する関数swapを作成せよ。
void swap(int *p, int *q);
使用例
int a = 3, b = 5;
swap(&a, &b);
printf("a=%d b=%d\n", a, b);
''ex1)'' キーボードから0以上100未満の整数を複数読み込み、1ケタ、10台、20台、30台…90台の整数がそれぞれ何個ずつあるか数えるプログラムを作成しなさい。負数が入力された時点で入力の終了とする。
-個数を数えるカウンタを配列にする。たとえば1ケタの整数の個数をcount[0],10台をcount[1],20台をcount[2],30台をcount[3],以下同様…で数えるようにする。
''ex4)'' 2つの文字列を比較し,同じなら1,異なる場合は0を返す関数を作成しなさい。※ただし,標準ライブラリ関数strcmpは用いないこと。
int strequal(char *str1, char *str2);
''ex2)'' 2次元配列を用いて2×2の行列double A[2][2]とdouble B[2][2]を定義し,AとBの各要素に数値を読み込ませてから,その積double C[2][2]を計算するプログラムを作成しなさい。
''ex5)'' キーボードから文字列patternとstringを読み込み、stringにpatternが含まれる場合には「成功」と表示して終了し、含まれない場合には「失敗」表示として成功するまでstringの読み込みを繰り返すプログラムを作成しなさい。※標準ライブラリ関数strstrを使ってよいので調べてみよ。
''ex3)'' 半径を引数として円の面積を返す関数circleを作成しなさい。次に、そのcircleを使って、半径と高さを引数として円柱の体積を求める関数cylinderを作成しなさい。最後に,cylinderを使って円柱の体積を表示するプログラムにまとめなさい。
- 〔円柱の体積〕=〔底面の円の面積〕×〔高さ〕
** 発展課題 [#i6b9037d]
*** バブルソート [#hbb482de]
配列の中身を順番に(小さい順や大きい順に)並べ替えることを考えてみよう。もっとも古くからある方法は、バブルソートと呼ばれている。この方法では、配列を調べて、隣同士が逆順に並んでいるところがあれば交換する。これを何回も繰り返して、交換する必要がなくなるまで続ける。交換の必要がなくなれば、配列の要素はすべて順番に並んだことになる。
''準備)'' キーボードから10個の整数を要素とする配列aを読み込み、配列の先頭から順に隣同士の要素を比較して、前の要素が後の要素よりも大きいところをすべて表示するプログラムを作成しなさい。
i→ →| iの変化は8まで
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
a [__|__|__|__|__|__|__|__|__|__]
a[i]とa[i+1]を比較
''ex4)'' 以下に示すような動作をするプログラムを作成しなさい。
+ キーボードから10個の整数を読み込み、配列aに格納する。
+ 配列の先頭から順に隣同士の要素を比較して、前の要素が後の要素よりも大きければ交換する。
+ 配列の最後の要素まで到達したら:
-- 交換回数が0回より多ければ、0にセットしなおして2.に戻って繰り返す。
-- 交換回数が0回ならば、配列全体を表示して終了する。
上のプログラムの動作の意味をよく考えて、どうして整列ができるのか理解しなさい。
*** 2分探索法 [#k28ce22c]
''準備)'' 以下に示すソースコードは,小さい順(昇順)に並んだ整数配列a[]のa[n]〜a[m]の要素に整数xが含まれるかどうか探す関数 binary_search と,その動作を確かめるプログラムである。【???】の部分を適切に埋めて関数を完成させ,正しく動くかどうか確かめなさい。
int binary_search(int a[], int n, int m, int x)
{
int c;
if (【???】)
return -1; /* 探索範囲がない→探索失敗 */
c = (n + m) / 2; /* 真ん中の位置の計算 */
if (x < a[c]) {
/* xが真ん中の要素より小さい場合 */
return binary_search(a, n, c - 1, x);
} else if (【???】) {
/* xが真ん中の要素より大きい場合 */
return 【???】;
} else {
/* x == a[c] なので発見→発見位置を返す */
return c;
}
}
int main(void)
{
int a[] = { 1, 2, 4, 6, 8,
9, 12, 14, 17, 20,
25, 26, 28, 30, 32,
34, 35, 36, 39, 40 };
int x, index;
scanf("%d", &x);
index = binary_search(a, 0, 19, x);
if (index != -1)
printf("a[%d]=%d\n", index, a[index]);
else
printf("Not found.\n");
return 0;
}
''ex5)'' 上記の関数binary_searchを改造して,''大きい順(降順)''に並んでいる配列から整数を探索する関数を作り,キーボードから入力された数値を使って動作を確かめるプログラムを作成しなさい。
** 発展課題 [#v6d525fa]
- 発展課題には''提出期限を設けない''ので,前回までの発展課題でやっていないものも含めて,どれでも自分の面白いと思うものをやってよい。
*** マインスイーパ [#wab9f193]
''ez1)'' Windowsにも標準でついてくるゲーム「マインスイーパ」を作成しなさい。詳しいルールが分からない人は,Windowsでゲームを起動し,ヘルプを読むとよい。
''準備''
+ 2次元配列で9×9の盤面を用意する。たとえば,各マスの値に下記のような意味を持たせる。
int board[9][9];
-- -1: まだ開けていなくて,何もない。
-- -2: まだ開けていなくて,地雷が隠されている。
-- 0〜8: 既に開いていて,周囲に地雷が0〜8個あることが分かっている。
+ まず,すべてのマス目をまだ開けていない状態にする。
for (x = 0; x < 9; x++) {
for (y = 0; y < 9; y++) {
board[x][y] = -1;
}
}
+ そして,ランダムな位置に地雷を10個埋設する。下記の例では同じ位置に地雷を重なって埋設してしまう可能性があるので,さらに改良したほうがよい。
for (i = 0; i < 10; i++) {
x = rand() % 9;
y = rand() % 9;
board[x][y] = -2;
}
''ゲーム''
+ 盤面を表示する。下記は数字で表示する例。
printf(" ");
for (x = 0; x < 9; x++) {
printf("%d ", x);
}
for (y = 0; y < 9; y++) {
printf("%d: ", y);
for (x = 0; x < 9; x++) {
if (board[x][y] < 0)
printf("- ");
else
printf("%d ", board[x][y]);
}
printf("\n");
}
+ キーボードから座標 (x, y) を読み込む。
+ 座標位置が地雷だったらゲームオーバー。
if (board[x][y] == -2) { ...
+ 座標位置が地雷でなく,まだ開いていなかったら,周りの8つのマス目を調べて,周りにある地雷の個数をそのマス目の値にする。※ここがポイント。
else if (board[x][y] == -1) { ...
+ 地雷以外のすべてのマス目が開いたら攻略成功。
盤面の大きさを変えたり,地雷の目印に旗を立てて,旗と地雷の位置が完全に一致したら攻略成功にするともっとよい。